歯は食べ物で変わります。
本来肉食動物であるクマ科のジャイアントパンダは、進化の過程で主食が竹や笹になったことで歯列が大きく変化し、硬い繊維もかみ砕けるようになりました。
人間の歯は親知らずを含めて全部で32本ですが、パンダの歯は生えそろうと42本もあります。また、パンダの奥歯は人間の奥歯の7倍もの大きさがあり、扁平で幅の広いかたちをしているため、頑丈な歯と強力なあごによって硬い竹でも砕きながら食べることができます。
ですが消化器官は一般的な熊と同様草食に不向きなため、必要な栄養を取るのに大量に食べなければなりません。
パンダは竹や笹を一日10~15kgも食べますが、糞の量は食べた分の約80%にもなり、栄養として吸収されるのはわずか17%ほどと言われます。動物園に行くとゴロゴロと寝転がっていることの多いパンダですが、これはエネルギーを節約するためなんですね。
ラビット歯科 院長 三井智治