こんなことでお困りですか?

智歯抜歯の必要性について

親知らずとは、一番前の前歯から数えて8番目の歯のことです。
基本的には上下4本あり、18〜25歳頃で生え始めます。
生まれつき親知らずが存在しない方や、骨の中に埋まっていて、そのままずっと生えてこない方もいます。
親知らずの抜歯は、『痛そう』『腫れそう』など、大変と聞いたことがある方も多いかと存じます。
そのため、親知らずを抜歯する基準として以下のような場合があります。

抜歯した方がいい場合

歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすいために腫れや痛み(智歯周囲炎)が繰り返し生じている。
汚れをうまく除去出来なため、親知らずやその前の歯が虫歯になる可能性がある。
前の歯を押して、歯並びが悪くなってしまう。
食べかすや汚れが残ることで、歯周病が進行したり口臭が気になる。
矯正治療において抜歯が望ましい。
頬の粘膜や歯ぐきを噛んでしまう。
妊娠前に抜歯を行い、妊娠中に術後抗生剤(化膿止め)や抗生剤(痛み止め)を飲まなくてすむように予防的に行う。

抜歯しなくてもいい場合

親知らずが完全に顎の骨の中に埋まっており、痛みや腫れを生じたことがない。
入れ歯やブリッジ(差し歯)の支えとして使っている。

下顎水平埋伏智歯抜歯について

口腔内を消毒した後に、局所麻酔や必要に応じて下顎孔伝達麻酔を行います。
歯ぐきにメスにて切開を加えた後に、歯ぐきを骨から剥離し、歯ぐきを翻して、埋まっている親知らずとその周囲の骨を明示します。
埋まっている親知らず、前方の歯や周りの骨に引っかかり、そのまま抜歯することは出来なので、必要な分だけ歯の周りの骨を削り、歯をバラバラにして抜歯を行います。
歯の周りの不良な組織をきれい取り除いた後に骨の形を整え、抜歯した部位を洗浄します。
骨や歯ぐきから出血があった場合は、局所止血剤などを使用し止血処置を行います。
切開を行った歯肉はもとの位置に戻し縫合します。抜糸の目安は1週間程度です。
抜歯後は痛みや腫れが生じることがあり、痛みは抜歯当日から3日目まで、腫れは3〜7日目がピークとなり、腫れに伴いお口が開きにくくなったり、食事がしにくくなることがあります。

上顎埋伏智歯抜歯について

口腔内を消毒した後に、局所麻酔や必要に応じて下顎孔伝達麻酔を行います。
歯ぐきにメスにて切開を加えた後に、歯ぐきを骨から剥離し、歯ぐきを翻して、埋まっている親知らずとその周囲の骨を明示します。
歯の頭の周りの骨を除去した後に抜歯を行います。
歯の周りの不良な組織をきれい取り除いた後に骨の形を整え、抜歯した部位を洗浄します。
骨や歯ぐきから出血があった場合は、局所止血剤などを使用し止血処置を行います。
切開を行った歯肉はもとの位置に戻し縫合します。抜糸の目安は1週間程度です。
上顎の智歯抜歯は下顎の智歯抜歯に比較して、痛みや腫れは軽度なことが多いです。


抜歯・小手術後の注意点

止血

・ 今咬んでいるガーゼはそのままにして20分たったら捨てて下さい。
・ 今日はうがいを出来るだけ控えて下さい。強くうがいしたり、うがいをし過ぎると、血がいつまでも止まらなかったり、治癒が遅れることがあります。
・ 普通1〜2日程度、唾液に少量の血が混じります。特に多量に出血する時はガーゼやティッシュを丸めて傷口にあて、20分程度強く咬んで下さい。

痛み

・ 麻酔の効果は1〜2時間程度続きますが、麻酔がさめて痛みがある時は処方した鎮痛剤(痛み止め)を飲んで下さい。

・ 抗生剤(化膿止め)を全て飲みきって下さい。万一、湿疹や痒みなどの副作用が出るようであれば内服を中止して下さい。

食事

・ 当日より食事は可能ですが、麻酔が効いている間は頬や唇、舌を噛まないように気を付けて下さい。また、硬いもや刺激物はさけて、反対側で食事して下さい。

歯磨き・うがい

・ 歯磨きは手術当日より行って構いませんが、傷口を擦ると痛みが出ることがありますので、強く擦らないようにして下さい。また、歯磨き粉を使用しても構いません。
・ うがいは強く行わず、口に水を含み吐き出す程度にして下さい。

その他禁止事項(手術当日)

入浴や激しい運動、飲酒など血圧が上がることは控えて下さい。

当医院で可能な小手術

・埋伏智歯抜歯術
・ 正中埋伏過剰歯抜歯術
・ 歯根嚢胞摘出術
・ 歯根尖切除術
・ 下顎隆起切除術
・ 粘液嚢胞摘出術
・ 腺体内唾石摘出術
・ 小帯形成術
・ 口腔前庭拡張術
・ 歯周外科手術
・ インプラント埋入術・2次手術

【参考文献】 カラーアトラス 抜歯の臨床 / 医歯薬出版株式会社